上司、プロジェクトリードなどする中でとてもやっかいな存在、それは「仕事ができない人」です。何故厄介なのか、それはその人のために迷惑を被るからに尽きます。育成、成果物いずれにおいても期待値を下回り、説明、指導、確認全てにおいて通常よりもかなり時間を要します。人間としてそれにイライラしてしまうのも正直当たり前だと思います。
でも待ってください、その溢れたイライラを表してしまうことによってあなたが損をする可能性があります。そこで、仕事ができない人の特徴と対応法について自分の経験を交えて紹介します。
仕事ができなくてイライラさせる部下とはどんな人たちか?
スーパーマンでもない限り、誰でも得手不得手があります。その仕事が十分にできないといっても、それは経験不足からくることもあります。そのため、その人がどうして仕事ができないかを見極めて対処していくことが重要です。スキルが不十分、経験値が不十分といった理由に対しては、上司が指導をし育成が必要です。そうしないと人は育っていかないからです。では、仕事ができなくて上司やプロジェクトリードをイライラさせる人たちは、その上司の気持ちを超えてどんな風にイライラさせ、はたまた悩ませるのか、まずその特徴を紹介します。
特徴1:何度説明しても、話を聞いていない(もしくは理解できない)
特徴2:説明に対して独自の勝手な解釈をして行動する
特徴3:やりたくないこと、面倒なことはやらない(好きなことしかしない)
特徴4:コミュニケーションが取れない
特徴5:言い訳や人に責任転嫁をする
これらの特徴を重複して持っていることこそがこの集団の最大の特徴ではないかと思います。
特徴1:何度説明しても聞いていない(理解できない?)
言葉のとおり、簡単なプロセスなどを何度説明しても聞いてない、もしくは理解できないのがこの人たちです。あとメールも開封はするものの、目を通しているだけで読んだつもりになっていて、つまり内容を理解していません。
例えばこんなことがありました。
PJチームのXさんに対して、➀このメンバーの会議で10個あるタスクの割り振りを決めましょう。決まりました。ではここで割り振りが決まらなかった10個のうちの1個のタスクはもう少し多くのPJメンバーがいる×日の会議で決めましょう。チームの能力的には、Yさんが妥当でしょうけれど、Yさんには他の業務もあります。方法はYさんに依頼するだけではなく、この1つのタスクを更に分割してチームで手分けするという方法もあります。だから×日の会議で、Yさんの状況を確認して、それに応じてこの残ったタスクの割り振りを決めましょうねと言いました。それも少なくとも5回はXさんに伝えました。
そして×日に行われた会議で何が起きたか。
Xさんは勝手にYさんに事前に話をしてタスクを割り振りましたと報告したのです。話をまるで聞いてないどころか、この人に何度も説明した5回の時間を返してくれ!と思いました。こんな簡単なことが理解できないわけないので、聞いていないのか、はたまた嫌がらせなのか?とすら思いました。誰でも聞き逃しはりますが、こういった人は何度も同じ事が繰り返されるのです。
特徴2:独自の勝手な解釈をして行動する
特徴1の事例にも似通る部分もあるかもしれませんが、説明したことを勝手に自分の都合のいい解釈をして仕事を進めてしまうのです。
例えば、Aさんに複数ある自社製品のうち新規製品Zに注力をしていかなくてはんらない。その中でAさんには期待を込めてZが主力となる大型顧客の1,2,3を任せますねと伝えました。すると後日、なぜかAさんは勝手に製品Zに関わる顧客は全て自分が対応をすると思って勝手な連絡をしてきたという事例もありました。そして、仕事はチームでやるもので製品Zについて顧客のこの部分をあなたに任せるのです、と何度も説明が必要になりました。
相手の言っていることと自分の思っていることが必ずしも合致していないかもしれないと思えば、相手に確認をする、すり合わせるということがビジネスでは必要になります。しかし彼らは相手と自分の考えに乖離がある可能性に目を向けようとしません。そしてむしろ自分にとって都合のいい解釈をする傾向、または最初に思いこんだこと以外のことがあるという可能性に気づかない傾向にあります。
特徴3:やりたくないこと、面倒なことはやらない
チームやプロジェクトの中で優先順位が高いことであっても、やりたくないことは決してやろうとしません。そのままだとタイムラインに間に合わないと分割をして依頼しても、その期限すら守らなかったり、勝手に顧客訪問をいれて会議に来なかったり、次の会議ではこういうことを準備しておいてくれますか?と依頼してもやらぬまま、忙しくて準備が間に合いませんでした、と会議に臨んでくるなどということがあります。
そしてそれについて次回会議に向けてさらに具体的な依頼、もしくはもっと小さなタスクを依頼しても変わらないということが繰り返されます。
特徴4:コミュニケーションが取れない
話を聞いていなくて、独自の解釈をするわけですからチームメイトともコミュニケーションがとれなくても仕方ないことかもしれません。例えば、メールのやり取りや普段の会話でも非常に丁寧にお礼などをを伝えます。しかし、具体的なアクション依頼や共有事項がなく、何のためのやり取りなのか明確ではありません。部署にもよりますが、仕事をする以上人との関わりが欠かせないものが多いです。しかし彼らはこのような不明確な依頼もしくは依頼と思われるようなメールなり言葉を発信することにより相手が混乱することで通常以上にやり取りの回数が増えます。また、彼らは具体的にアクション分かっていない事ももあるため、それを問うためのやり取りも発生し通常以上に時間がかかってしまいます。そして、チームメイトやプロジェクトメンバーからクレームがあがってきて、そこでまたそれらに対処する時間がかかる、、とあなたの負担が増えるのです。
特徴5:言い訳や責任転嫁をする
過度に自分が責められるのを回避する傾向があります。やらなかったことへの言い訳や、他人のせいにして決して自分のせいではないということを主張します。そんな他責の精神でいるわけですから、成長なんてとんでもない夢は見ませんが、改善すらなかなか見込めない点が非常に厄介です。この背景には、プライドが高い、または自己肯定感が低すぎることが原因として多いのではないかと思っています。
イライラさせられるのが損な理由
それは、あなたの評価や周りの評判にネガティブに働くからです。
そんな状況でイライラするのも当たり前だ!と私は強く思っていたし、なんなら今でも思っています。ただ、残念ながら人はそんな風に好意的に他人を評価してくれないのです。
私は少し大きなPJを任されていた時に、自分の尊敬する人に「イライラが駄々洩れの声だったけれど、あれでは今後の自分のキャリアで損をするよ」と指摘されました。
私には言い分がありました。大きなPJにも関わらず、なかなかの問題児が多くいる中でなんとかPJを苦労して進めてきたのですから。毎回何かある度に、できない人のために自分の時間を費やし、対処をするという迷惑を被ってきたわけですから。そして私は別にPJリーダーだったのでメンバーよりも給与がいいなどでもなかったのです。そんな中、簡単なことすら出来ない人に対して、できてないことを責められるような態度をとられてもそれは当たり前ではないのか?と。
でも、それは私の奢った気持ちでした。何故なら、その苦労はPJマネージャーを経験したことのある社内でも一部の人にしかわからないし、その人たちですら同じ状況ではないので理解をされないと思ったからです。「まぁあの人も悪いかもしれないけれど、あの言い方はないよね。。。あの人はちょっとね、、」などと言われてしまう可能性があります。ましてやPJリード経験者が多くない中ではそのような発言をされることはいうまでもないでしょう。
対策方法
具体的な対策方法はあるかもしれませんが、一番重要なことは
- 怒りの感情で物事が好転することはないことを自覚する
- 何故できないのかを理解することは諦める
ということでした。
私は何のためにイライラを出していたかというと「怒りで人を動かそうとしていた」と思います。もちろん、溢れ出る感情を止められない時もありましたが、怒っているからやらなきゃと思わせようとしていました。何故なら、自分はそうやって過去に動かされた経験があるということ、そして、依頼したのにできなかったんだからそういう報いを受けて当然だ、という気持ちもありました。
仕事ができたら感謝もされるし評価もされる、でもそれが自分の努力欠如によってできなかったんだからそれに対するネガティブさ示して理解して、できるようにするという理論が私の中ではあったのです。
でもそれは自分の勝手な理論でした。確かに、振り返ると何度となくイライラの感情を示したり、怖い態度をとってきましたが、事態が改善したことは1つもありませんでした。
私にとっての上司は、尊敬もしていたし、憧れの存在で影響力が非常に高かったから、それがドライバーになりました。しかし、これは確率的にはあまり高くないケースです。そして効果がないにも関わらず繰り返すことは得策ではありません。こんな報いを受けて当然だと私は思っても、相手がそんな風に素直に思うことはなく、恨みを買ったことも多くあると思います。
何故できないのか理解することを諦めることは、仕事を進めていく上で正しい選択かは分かりません。しかし、ここに至るまでにきっと何度も考え、理解ができないという結論に至っている場合、それ以上にその人に時間を費やすこと自体、無駄だと思います。その業務ができる人にはできない人の理由は分からないと割り切ってしまう方が得策です。
具体的なTipsとして取り組んだのはこのくらいでしょうか。
1~3についてはよく紹介されていますので、4つ目の工夫について簡単に紹介します。
4つ目の工夫は、
- イライラの感情を漏らさないということを自分にリマインドする(携帯メモやPJ会議と同じ時間帯で自分のみ閲覧できるメモをいれておく)
- コロナ禍でのバーチャル環境を利用して敢えて直接会わないようにする
- 自分の都合を優先する
- できるだけゆっくり話すように心がける
- 上司にはフィードバックするが本人には言わない
といったことを行いました。自分には自分の思考の癖があり長く自分がやってきたことを変えるのは大変ですから、1を繰り返し実施しました。最初の1週間やってみて、結構意識改革に効果があったと思ったのでそれ以降も継続的に実施するようにしました。
2は諸刃の剣で、会うことで取り繕うこともできますからどちらがいいか分かりませんが、嫌な時は会わない選択をすることも1つかと思います。3もそれに通じますが、上司であったりPJリードだったりすると、打ち合わせたい、確認したいなどの要望があることも多いと思います。そして仕事を進めるためにはと時間をとるのですが、そういった予定外の案件は自分の予定していた仕事を圧迫すること、そしてその内容次第によっては更にイライラしてしまうので、自分の都合をある程度優先するように割り切りました。
4つ目は、早口で話すことによって、イライラしていなくてもそのように受け取られてしまう傾向もあるとわかったため、できるだけゆっくりと話すよう心掛けました。
確かに本人に伝えても無駄ですが、その状況でも仕事を前に進めているあなたはきちんと評価されるべきだし、その人の上司にはその人のPJに対する貢献を知ってきちんと評価してもらう必要があります。愚痴ではなく、あくまで事実を淡々とお伝えしましょう。
仕事ができない部下にイライラさせられて感情を乱されるだけではなく、将来まで邪魔されたらたまったものではありません。少しでも参考になれば幸いです。
読んでいただきありがとうございました。
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