日本国内であれ国外であれ、住むところは生活の基盤です。今回はアメリカ東海岸に赴任し、ニューヨークマンハッタンで家探しを経験した私が、家探しで苦労したことなどご紹介したいと思います。
マンハッタン 空きがものすごく少ない問題
マンハッタンに来られる方はすでに調べていらっしゃるかと思いますが、マンハッタンはものすごく空室率が低いということで有名です。2.2%を切る空室率が続いているようなことも非常に多いのだとか。そして本当に早い者勝ちでいい物件はどんどんと埋まっていきます。実際に私が家探しをした時も、ここがいいかな、、と思っていた物件は申し込みをしようとしたら結果的に埋まってしまうということがありました。後にも書きますが、実際に契約をするまでには少し時間があるので(とはいえ猶予は24時間だったり48時間だったり日本では考えられない速さ)、気に入るとどんどんと申し込んでしまうのがよいように思います。
また、日本では家探しの際に内見をせずに決めるということは少ないのではないかと思いますが、空室率が低いということは内見できる家も非常に少ない、またまだ前の方が住んでいる場合にはその人の都合でこの週末に見たいと思ってもその日程に間に合わないなんていうこともあります。
そして空室率が高い=人気が高い、はい、家賃もものすごく高いです。ハドソン川をはさんでマンハッタンの対岸にあるニュージャージーや、ロングアイランド側のブルックリンなどだと少しお安くなるようです。車がある場合はニュージャージーの方が物価も安く、日本人御用達のMITSUWAもあるのでいいのかなと思います。もともとはニュージャージーはとても治安が悪かったようなのですが(1990年代)再開発が進み、今ではタワマンがそびえたっていますし、Exchangeplaceやホーボーケンなどのあたりはとても綺麗な印象です。
家探しではzillowが有名かと思いますが、Streeteasyが一番サイトとしてはタイムリーでよいそうです。私の経験から言えることは、まずこれらサイトを見てアパートの相場観を日本にいる時から把握しておくのがいいと思います。
賃貸の種類がある
日本だと賃貸アパートを管理会社が管理して貸してくれるというのが一般的だと思うのですが、こちらは「賃貸アパート」「コンドミニアム」「コープ」というものがあるそうで、一般的には「賃貸アパート」か「コンドミニアム」から借りることが多いと思います。賃貸アパートは日本と同じようなイメージでよいのですが、コンドミニアムの場合は家主さんが分譲マンションを購入していて、それを貸してくれるスタイルになります。家主さんの許可とビルの許可が必要になること、あと賃貸の申し込みには20ドルがかかるのですが(戻ってきません)、これがコンドミニアムの場合には少し高い可能性があること、承認プロセスに時間がかかることが多いそうです。
その代わり、コンドミニアムだと分譲マンションになっているのでよりクオリティの高い内観であったり、住人の方ともコミュニティをつくりやすかったりするようです。
日系不動産かそれ以外か
まるで勝手がわからない中不動産屋さんをどこに決めるかは非常に大きな問題です。会社が指定の場合もあろうかと思います。やはり母国語でやり取りができる日系の不動産屋さんはとっても安心ですよね。私も日系不動産屋さんに日本にいる頃からアプローチをしていました。しかしマンハッタンには大きな大きな障壁が。
年収>家賃×40倍ルール
日系不動産やさんでもそうでなくても一緒なのですが、非常に大きいルールなのです。特に円建てで給与をもらう場合、円が弱いとなおさら打撃を受けます。会社からの補助などもあって十分にそこに住める、、、という月収があってもこれが大きな壁となってくる場合が多いのです。会社からの雇用証明書(Employment Verification Letter)でどこまで会社側がフレキシブルな対応をしてくれるかが1つ鍵になります。
ただ、外資系の場合は、補助までは記載してくれてもボーナスを含めるのはダメ、など柔軟に対応はしてもらないこともあります。
アメリカでのクレジットない問題
これは実際にどうかは分かりませんが日系不動産から言われたのは、この40倍ルール以外にも日本人はアメリカでのクレジットヒストリーがないため、アメリカ人以外に貸してくれるアパートは限られる(そもそも外国人ということでOKしてもらえない)というものでした。私が最初にお願いした会社には、EVLでとにかく高く書いてもらえと何度も言われました。
お得意分野ないしは得意顧客・ビルがある
こういった背景からか、日系の不動産会社には上記ルールを多少逸脱しても日本人の入居を承諾してくれる「お得意アパートメント」や「お得意ブローカー」があることも多いです。いくつか問い合わせをした際に、40倍ルールを超えるけれど当社と取引のある会社であれば、、とか、当社の管理会社であればそれもできるかもしれないなどの回答がありました。
結果、私は日系の不動産会社はやめました。
理由がいくつかありますが、
- 自分たちの得意エリアでのみ勝負をしようとして、交渉をしてくれる気はない(自分たちの得意顧客内で済ませようとした)
- 事前にルールや説明がほとんどなかった(私が詳しく調べている前提であったこと、ないしは会社または担当者の問題かと)
- アメリカ人の知り合いからのアドバイスと話が異なることが結構多い
- 高かった(私がコンタクトした会社だけかもしれません)
- コンドミニアムはどうやら対象としてない(1に繋がりますが)
これはあくまで私の場合です。私は自分の事情から日本人がよく住んでいるアッパーイーストやアッパーウェストも選択肢にはありつつも、第一候補は別のエリアでした。しかし、会社のロケーションでそのあたりに住むことが決まっている場合、強い顧客がいくつかあり、いい物件を紹介してくれる日系不動産は非常に心強い味方だと思います。そのあたりは日系のスーパーなども含めて日本人にはとても住みやすいようではあるようです。
じゃあ、外国人とやり取りしたのか?ということですが、確かにメールでの問い合わせも行いましたが私の場合は日本人でこちらの不動産で働いている方を紹介してもらいました。ただでさえわからないルールについて、英語でやり取りするのはさすがに難しい、、、。この繋がりには感謝せずにはいられません。もしお困りの方がいたらご連絡ください。(お名前などの記載について許可をいただいていないので、、)
マンハッタンの住宅事情
ランドリー(洗濯機)ない問題
これはよく記載されていることですが、基本洗濯機がついていないことが多いです。ビルの中にあればまだよし、ユニットに洗濯機がはいっているビルは限られているそうです。駐在で来られる方は洗濯機を優先されることから猶更ビルが限られるのだとか。
これはまさに価値観によりけりで、こちらに留学していた会社の先輩からは「特になくても問題ないし、在宅の時にやっちゃえばこまないし問題ない」と言われました。一方で私の親友には「部屋に洗濯機がないのはちょっと、、、。人のつかった洗濯機で洗うの嫌だし、、、」と。自分が何を優先したいのかは明確にしておかないと家は本当に決められないと今回初めて知りました。(そのくらい空きもないし早く決めなくてはならないから)
家賃にガスか電気は含まれているケースも多い
マンハッタンの多くの住居では家賃にガス、電気のいずれかが含まれているケースが多いそうです。これはよい点ですよね。
家具付きはあまりないし高い
こちらで永住するわけではないので、家具付きをみんなに勧められましたが、、、家具付きはあまりないです。あっても結構高いし、レンタルも安くても$300~500はするそうで、そうすると年間6000ドル、買ってしまった方が安いと判断される方も多いようです。
照明がない問題
こちらのおうちって、、、上に取り付ける照明がないんですよね。だから日本人からすると、基本家が暗い!なので、フロアランプというものをいくつか設置して夜は明るくしているのですが、、1個天井に照明があったらそれだけで便利なのにね、と思いました。(確か下の写真もになにもない、、、)
生活の基盤を固めるのは本当に大変ですね。こちらも契約時には「初月の賃貸費用」「セキュリティデポジット(敷金として1か月分、もどってくることが多い」が多いです。また、不動産にも費用をお支払いします。年額に対して〇%という計算が多く、このパーセンテージは是非、不動産会社さんに聞いてみてください。
あとは入居時には保険に入ってもらうことや、子供がいる場合には窓の安全枠などが必要になるビルもあるようです。ちなみにこちらは市からの要請?で契約書類が70ページ以上あります。定型のところもありますが、更新ができるか、敷金をかえしてくれるなどかなどは契約書を見ておいたほうがよいと思います。あと、契約書類と同じタイミングでの振り込みが必要になります。クレジットカードの場合、手数料として3%弱とられますし、為替の影響が大きいです(通常の為替よりも高い金額に設定されている)。会社からの補助等ありますが、銀行口座の開設は必ず事前におこなっておくことと、会社からの振り込みがそのタイミングに間に合うようにしておくことはちょっとしたsavingになるかと思います。私の場合はほぼほぼ間に合わず、、、でしたので参考までに。
ペットと暮らす場合
ペットと暮らす場合、管理会社よりペットの写真や体重、ワクチン接種の証明書などの提出が必要になります。そのため私のお勧めは日本出発前にかかりつけ獣医さんに、検疫のための書類だけではなく、英語での健康診断書を作成してもらうことをお勧めします。必要情報としては、狂犬病のワクチンを接種しているか、それはいつなのか、ロットナンバーまで書いてくれているとなおよしです。(住宅についてここまで求められることはないですが、こちらの獣医に見せる時にも便利です)そして、去勢・避妊済みか、マイクロチップナンバー、生年月日なども記載しているといいと思います。そしてそのような情報は紙でもらうと思いますので、必ずデータとしてPCにとりこんでおくことが重要です!
また、アパートによっては、入居のためにペットの費用を請求されることもあります。
クレジットヒストリーについては最近、credit companyといったような会社があり、そこが何かあった際の費用を補償してくれるということで外国人でも入居ができるようです。しかし、これまたお金がかかるようです。マンハッタンに住む他国からきた同僚は「マンハッタンはお金でなんでも解決する」と言っていて、私もこれには頷けることが多くあります。
景色が素敵だったマンション→せっかくマンハッタンに住むには夜景が素敵なところと思っていて最後までその条件に拘っていましたが、結局家からあまり景色なんて見ないよねと思って、この条件はなくなりました。でも気づくまでとっても時間がかかり、相談にのってくれた友達や不動産やさんにはとっても感謝しています。
皆様が素敵な住まいとともに新たな生活がスタートできることを願っています。
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