先日、リーダーやリーダーシップに関わる研修を受講したのですが、研修の最初から終わりまで私のモチベーションカーブだだだ下がりになっていく、、、ということが起きまして。
誤解を招く発言になりそうなのできちんとお話すると研修自体はリーダーのあるべき姿やリーダーシップというものについて体系的に学べる機会として非常にいい機会でした。
人に動いてもらうには納得感が大事
ただ、人に動いてもらうには『納得感が大事』ということについて、最近あった事例で非常に違和感というかもやもやした気持ちを覚えたからなのです。
私は、納得感もなしに言われた通りやればいい、個人の意見なんて聞かない、聞く必要がないといった意見を持っているわけではないです。人が納得感によってモチベートされるということは十分理解できるし、そのことが大きく仕事の成果をドライブすることもある、とても大切なものではあるということは大前提としてあります。
でも過度な納得感を求める人がいた
これは最近起きた事例です。まだチームに入って経験は浅いAさんは、ある会議での部署間の調整を行うという仕事をしていました。
資料の方向性は話し合いつつ、それ以外の細かなことは自信や達成感を味わう意味でもお任せする状態で会議資料作成を行っていました。
その会議に参加する別の部署のリーダーから要望があり、Aさんがその要望資料を作成し、私にメールで共有してきました。しかし、その分析ロジックはどう見てもおかしいため私のチーム(部署)で合意された分析数字と提示することのリスク、またそれを会議で出すことによって、事実の間違った解釈、ひいてはそれが間違った結論に繋がるリスクを危惧しました。
そして資料を出さない方がいいと直接伝えたいところを我慢し、➀この議題を考えるとこの分析や数値を出すとその数値の適切性などに議論及ぶ可能性があり、会議の目的を達成できないリスクがあること、➁私の部署の合意としてこの数値を出すなら分析をサポートしてくれている部署に相談し、validationされたものを出すべきだということを伝えました。
その話し合いの際にも何度か同じ説明をする中で、「ちょっと納得したいのでもう少し教えてくれますか?」と何度かコメントをされました。ご自身の納得感を大事にされる方ということが理解できました。時間はかかりましたが、最終的には、「あ、よくわかりました。納得できました」とおっしゃり、事は無事に収束したかのように思いました。
しかし、その夜遅くに電話がかかってきて、またその件で「別のロジックを考えました」と連絡があり、再度時間をかけて丁寧に説明し、次のアクションについて説明をしたつもりでした。
そして翌朝またメールが届いたのです。「ちょっと別のロジックを考えました。アドバイスください」と。( ゚Д゚)( ゚Д゚)( ゚Д゚)
納得したんじゃなかったんかー---------い!!
全然納得っていうか、まず話を理解してないよ。。。。。もうこれ、怪談の一種?
いや、、、、ここまで書いて自分の説明がおかしかったのではないかと不安になってきました。しかし、私も自分の仕事がありAさんへの説明時間も限られることからチームで分析の経験値が高い人に依頼して、私だけではなくその人からも説明を2度してもらっていたのです。それでこの状態、、、。もう無限ループですよ、これは。
納得感は大事だけれど、、、?
書いているように、Aさんと話をすると「自分の納得感」を非常に重要視されており、それであれば納得感によってモチベートされる人だということは分かります。だから納得感を得ることがきっと最短なんだと思うのですが、、、、
でもAさんが納得しないがために、私以外にもチームでスキルの高い人、他のチームメンバー2人も時間という重要な資源をついやしたのです。そして成果があがったというよりも当たり前のことを当たり前にしただけ。もはやトラブルシューティングです。
何故、私が研修を受けている間にもやもやしてきたかっていうと、
- 仕事の目的はビジネスゴールを達成することであって
- 納得感を得ることが最終ゴールではない以上、そこの優先順位つけないとやってらんないよねって思うからなのです。
あくまで研修なのでその要素を取り入れて実践ではそうやって『上手く』やっていけばいいだけのことで研修講師もきっとそんなの押し付けてないのでしょうが、「納得感大事ですよ~」ってすごく言われると、「いやね、わかるけど細かなことまで納得感とか言われても時間ない!」ってついつい反発したくなっちゃうんですよね。
納得感は大事。でも、それが当てはまらないケースもある
何度も言いますが、人に動いてもらう時に納得しているかどうかというのはやはり大事なことだと思います。
でもネットの記事でハッΣ(゚□゚;)とする文言を見つけました。
経験がない状態で本質を理解することはできない
確かに、昔の上司に指示をもらっていた時に、後でその意味や意図に気づかされたことも多くありました。
その時は私自身、その上司に対して尊敬の念を抱いていたこともあり、納得感みたいな大層なことがなくても指示に従えたのかもしれません。仕事ができるってリーダーとして大事ですよね、やっぱり。
話はそれましたが、仮にその人ではない別の上司が懇切丁寧に説明をしてくれて「納得した」気になっていたとしても、本当の意味で理解は絶対できなかったと思います。それによってモチベーションがすごく変わったかどうかは今となっては分かりませんが、それで成果が著しく異なったとは思えません。
納得感も大事だけれど、ビジネスゴールを達成するためには
- 例えば経験などが浅く、説明しても理解できない場合は当初のゴールとしていたレベルの納得感を得ることは諦めた方がいい
- やり方を変えて、「ちょっとこうやってみて」とかなり具体的なやることを示して、手を動かして、その成果物をもってモチベーションにつなげる方法を模索する
- そもそも、その仕事をしてもらうためにどの程度の納得感が必要かを考えておく(優先順位が低い案件の場合、そもそも納得感を得に行かない、別のアプローチを考える)
というのが今、私が考える対応方法です。
そして記事を掲載して半年以上が経ち再度読み返してみました。この人の場合は「納得感」という言葉を使っているだけで、他に「自分がそのタスクを行う能力があることを示したい」「周りに認められたい」というニーズの方が強かったのではないかと思います。そうだとしたらどうしたかな、、、同じプロジェクトでもそれを満たせる別の機会に目を向けてもらって、今回はこうしようねって言ったかなぁ、、、?
このあたりは海外の方が楽だなぁ、、って思います。desicion makingは誰が行うのかはっきりしているので、、。誰が決めるかがはっきりしている中で、意見を聞いて取り入れるのと、「みんなで決める」という大前提のもと意見を聞くのでは受け手側の印象が全く違うんですよね。私がいたのは後者の組織だったので、なかなか一苦労でした。
読んでいただきありがとうございました。
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